厳しい暑さ 対策は

梅雨明け直後は多くの人が暑さに慣れていないため、熱中症のリスクが高くなります。
厳しい暑さを乗り越えるために、ある対策が注目されています。

【対策や不調 さまざまな声】。
最も早い梅雨明けとなり、大阪・中央区の京阪電鉄の天満橋駅近くでは、連日続く厳しい暑さの影響や対策についてさまざまな声が聞かれました。
大阪市内に住む67歳の会社員の女性は「通勤のときは暑いですが、会社に行くとクーラーが効いていて、温度調節が難しいです。室内ではカーディガンを着ています」と話していました。
また、大阪市内に住む68歳の男性は「暑さで外に出るのがおっくうになってしまいました。例年は汗をかいていってだんだん梅雨が明けてという感じですが、ことしは体調がなじむのに時間がかかるかなと思います」と話しました。
兵庫県明石市に住む46歳の会社員の男性は、熱中症対策について「職場に行くまでに熱中症ではないかと思うほど体がほてってしまうので、こまめに水分補給をしています」と話していました。
また、大阪市内に住む、5歳と3歳の子どもがいる31歳の女性は、「子どもはマスクをしているので熱中症になってしまわないか心配です。夜すごく寝苦しくなってきて、今はクーラーがないと全然寝られなくなっています。でも使うと喉がイガイガしたり、体が冷え切ったりしています」と、悩みを話しました。
大阪市内に住む44歳の教員の女性は「職業柄、子どもたちが熱中症にならないか心配です。クーラーをかけすぎるのは外との温度差があり体によくないのではと疑問に思っています。外に出てすごく嫌になってしまうので、家では扇風機にしています」と話していました。

【野球部では手のひら冷却】。
熱中症対策として、手のひらを冷やすことで体温を下げようという取り組みも始まっています。
京都市右京区にある京都先端科学大学の野球部では、練習中の熱中症対策として、大阪の企業が開発した1時間から2時間ほど冷却効果を保つ特殊な保冷剤を手で握って体温を下げる取り組みを試験的に導入しています。
まず、学生たちは練習を始める前に保冷剤をにぎって手のひらを冷やし、その後、走り込みなどの合間の休憩のたびにこまめに手のひらを冷やしていました。
水分補給などとあわせて行うことで、体温を下げて熱中症のリスクを下げる効果を期待しているということです。
野球部の部員は、「涼しい状態で楽に運動ができました」と話していました。
京都先端科学大学野球部の梶田和宏 コーチは、「短い時間で簡単に体温を下げられるのがいい。学生たちが熱中症の対策をしながら上手に部活動をするうえで、強力なサポーターになってくれると思います」と話していました。

【専門家“手のひらを冷やす”】。
体温調節に詳しい、神戸女子大学の平田耕造 名誉教授は、熱中症の対策のひとつとして手のひらや足の裏を冷やすことが効果があるとしています。
平田名誉教授は、「両手のひらは、面積が体全体の5%しかないが、AVA=動静脈吻合(どうじょうみゃくふんごう)という体温調整の役割を担う血管があり、そこに熱い血液を流して手のひらから熱を逃がしている。空気中に手のひらをさらしているだけでも熱は逃げていくが、冷たいものと接触させることで体温を早く下げやすくする効果がある」と話していました。
平田名誉教授によりますと、手のひらや足の裏のAVAを流れる血液の量は、毛細血管を流れる血液に比べて1万倍ほど多く、手のひらや足の裏を冷やすことによって効率よく体を冷やすことができるということです。
手のひらなどを冷やす際には、氷など10度を下回る冷たすぎるものではなく、15度程度のものを使うとよいといいます。
AVAを冷やしすぎてしまうと、たくさんの血液を流すために拡張していた血管が、逆に収縮してしまうことがあり、熱を発散しにくくなるということです。
平田名誉教授は、「水道水を洗面器などにためて、そこに手や足を入れるだけで十分効果的に体温を下げることができる」と話していました。
梅雨が明けたばかりで厳しい暑さが続く今の季節の注意点として、「6月や7月の上旬というのは、すでに非常に暑くなっているにもかかわらず、『血液をたくさん流そう、たくさん汗を出そう』という暑熱順化と言われる体の反応が真夏ほど追いついていないため注意する必要がある」と指摘しています。
そのうえで、「暑熱順化が追いついていないことを自覚したうえで、積極的にエアコンを使うとか、水分補給を積極的にするとか早め早めに対策してほしい」と呼びかけていました。