時短営業セブン‐イレブン契約解除めぐる訴訟 23日に判決

24時間営業を自発的にやめた「セブン‐イレブン」の東大阪市にあった店舗が本部から契約を解除されたことをめぐり、元オーナーと本部が互いに訴えている裁判の判決が、23日に言い渡されます。
契約解除の理由が24時間営業をやめたことなのかどうか、裁判所の判断が注目されます。

本部の「セブン‐イレブン・ジャパン」とフランチャイズ契約を結んで東大阪市にある店舗を経営していた松本実敏さんは3年前(平成31年)、人手不足などを理由に24時間営業を自発的にやめました。
本部の合意を得ないまま、時短営業に踏み切ったあと、本部から「利用客の苦情が多く、ブランドイメージを傷つけられた」という理由を示され、契約を解除されました。
松本さんは本部にオーナーであることの確認などを求めて訴えを起こし、「時短営業を始めたことへの意趣返しであり不当な契約解除だ。異常な顧客対応もなかった」と主張しています。
一方、本部側も松本さんに対して店舗の明け渡しなどを求める訴えを起こし、「他の店舗に比べて苦情が多く、面談を繰り返したが改善されず信頼関係は破綻していた。時短営業は関係ない」と反論しています。
判決は、23日に言い渡され、契約解除の理由が24時間営業をやめたことなのかどうかについて、裁判所の判断が注目されます。

【24時間営業見直しの動き】。
24時間営業をめぐっては、コンビニエンスストアの本部がガイドラインを作成して、希望する加盟店には深夜の休業を認めるようにするなど、ここ数年で大きく変化しています。
3年前(平成31年)、東大阪市にあった店舗が自発的に営業時間の短縮に踏み切った当時は、コンビニ業界では、本部に対してオーナーの立場は弱い状況でした。
深夜帯は売り上げが低く赤字だったり、人手不足でオーナーの負担が重かったりしたことから、営業時間の短縮をオーナーが本部に希望しても短縮できないといった声が各地で上がり、課題となっていました。
こうした意見を受けるなどして、最大手の「セブン‐イレブン・ジャパン」は3年前、ガイドラインを作成して、希望する加盟店には深夜の休業を認めるようにしました。
今月1日時点で、およそ4%の加盟店が深夜は休業しているということです。
また、公正取引委員会は、3年前の10月からおよそ1年かけて、全国のコンビニチェーン8社とその加盟店などを対象にコンビニのオーナーが本部から不当な扱いを受けて不利益を被っていないか、アンケートや聞き取り調査を行いました。
それによりますと、今後の営業時間について、▼「24時間営業を続けたい」と答えたのは、33.2%の加盟店にとどまったのに対し、▼「一時的に時短営業に切り替えたい」、「時短営業に完全に切り替えたい」などと答えた加盟店は、66.8%にのぼりました。
こうした調査結果を基に公正取引委員会は去年(令和3年)4月、コンビニ本部と加盟店との取り引きについてのガイドラインを改正し、24時間営業の見直しの協議を本部が拒絶するのは独占禁止法上の優越的な地位の乱用のおそれがあると明記しました。

【専門家“共存共栄へ立ち戻る”】。
3年前(平成31年)、東大阪市のコンビニの元オーナーが営業時間を短縮した当時の状況について、小売業界に詳しい日本経済大学の西村尚純 教授は「コンビニの店舗数が増加して、競争が激しくなり店舗の売り上げも伸び悩んでいた。人手不足の中、24時間営業で加盟店のオーナーがヘトヘトになっている状況だった」と指摘しています。
そのうえで、「東大阪の店舗の時短をきっかけに、フランチャイズ契約の原点である、本部と加盟店の共存共栄ということに業界全体が立ち戻る動きになった。判決で、24時間営業をやめたことを理由に不当に契約を解除したという判断が示されれば、今後、オーナーの立場がより尊重されたものになる可能性もある」と話しています。