宇治ウトロ地区放火事件裁判 被告“韓国人に敵対感情”

去年8月、在日コリアンが多く暮らす京都府宇治市のウトロ地区で住宅など7棟を全半焼させたとして放火などの罪に問われている被告の裁判が行われ、被告は事件の動機について、「韓国人に敵対感情があった」などと述べました。

奈良県桜井市の無職、有本匠吾被告(22)は、去年8月、在日コリアンが多く暮らす京都府宇治市のウトロ地区の倉庫に火をつけて住宅などあわせて7棟を全半焼させたなどとして、放火などの罪に問われています。
この火事では、地域の歴史を伝えるためにウトロ地区に新たに建設された平和祈念館に展示予定の資料の一部も焼失しました。
7日は、京都地方裁判所で被告人質問が行われ、事件の動機について被告は「韓国人に敵対感情があった。展示品を使えなくすることで、平和祈念館の開館を阻止するねらいもあった」と述べました。
そのうえで、「コロナ禍で離職を余儀なくされ、再就職も難しく、事件を起こすことへのためらいはなかった」と話しました。
さらに被告は、「後悔があるかと問われればない。ただ私のやり方は認められるものではなく、人を火に巻き込むおそれもあったもので、被害者に謝罪申し上げたい」と述べました。
次回の裁判は今月(6月)21日に行われ、その日ですべての審理を終える予定です。

【住民側弁護団が会見】。
裁判のあと、ウトロ地区の住民側が弁護団とともに記者会見を開きました。
この中で、ウトロ平和祈念館を運営している「ウトロ民間基金財団」の郭辰雄 理事長は、「犯行の動機が突発的なものではなく、明確に朝鮮半島にルーツを持つ人をターゲットにした、極めて計画的な重大犯罪だということが本人の口から明らかになった。差別や偏見に基づくヘイトクライムは拡散する可能性があり、被告もそれを期待し、共感と賞賛を得るために犯罪を犯した。それに対して、極めて慎重で厳正な対応で臨むことが求められると思う」と話していました。
また、「ウトロ平和祈念館」の金秀煥 副館長は、「被告の口から語られる平和祈念館への反感は聞くに堪えず、いろいろな人たちの思いがつまっている祈念館について、身勝手で浅はかで自分勝手な思いが語られていた。ヘイトクライムは許されないというルールを作るために、そうしたことは許されないことだと示すことが大事だが、検察がそのような形でしっかり追及していくのか、注目していく必要がある」と話していました。