神戸児童連続殺傷事件25年 「なぜ命奪われなければ」

平成9年に神戸市で起きた児童連続殺傷事件で、小学6年生だった男の子が当時14歳の少年に殺害されてから24日で25年です。
元少年から毎年、遺族に届いていた手紙は5年前を最後に途絶えています。
男の子の父親は、みずからの罪に向き合って手紙を書いてほしいと訴えています。

平成9年に神戸市須磨区で起きた児童連続殺傷事件では、小学6年生だった土師淳くん(当時11)が当時14歳の少年に殺害されました。
24日で事件から25年になるのにあわせて、父親の土師守さん(66)がNHKのインタビューに応じました。
土師さんは家族にとっては区切りはないとした上で「子どものことを忘れることはありません。子どもに対する愛情や元気なときの状況を思い出しながら過ごしています」と述べました。
土師さんのもとには加害者の元少年から毎年、淳くんの命日の前に手紙が届いていましたが、5年前を最後にことしも届いていないということです。
土師さんは「なぜ私たちの子どもが彼に命を奪われなければならなかったのか、回答がほしい。それに対して彼がきちっと対応してくれることを希望しています」と述べて、元少年がみずから犯した残忍な罪に向き合い、真実を導き出す必要があるとして手紙を書いてほしいと訴えました。
その上で「被害者遺族が『償い』だと思えるものが『償い』だと思う。加害者が被害者の遺族に『償い』があると感じてもらえるよう償い続けていくことが重要だ」と述べました。

事件から25年になるのにあわせて、土師守さん(66)は報道各社にコメントを寄せました。コメントの全文は次のとおりです。

 今年の5月24日は、私たちの次男・淳が亡くなって25回目の命日にあたります。この25年という年月は私たちにとっては本当に嵐のように過ぎ去ったように思います。しかし、何年経とうとも、子供への想いは変わることはないと感じています。
 今年も加害男性からの手紙は届いていません。以前から言い続けていることですが、何故、私たちの次男の命が奪われなければいけなかったのかについて、私たちが納得するような解答を求め続けています。彼は、私たちの問いに答える義務があると考えています。私たちから彼に対して何らかの行動を起こすことは出来ませんが、報道を通して訴えていければと思っています。
 「全国犯罪被害者の会(あすの会)」は、18年に及ぶ活動で犯罪被害者を取り巻く環境を大きく改善しました。犯罪被害者等基本法の成立、被害者参加制度、賠償命令を盛り込んだ刑事訴訟法の改正、殺人事件における公訴時効廃止等、多くの法律や施策の制定を実現してきましたが、メンバーの高齢化等のため4年前に解散しました。しかしながら、代表幹事をされていた岡村弁護士が、特に経済補償について、4年前に比し全くの改善が認められないことに憤りを感じ、ご自分の最後の仕事にしたいという思いで私たちに声をかけて頂き、「新あすの会」が創立されました。以前のような精力的な活動は難しいとは思いますが、岡村弁護士はじめ会員の方たちと、改めて犯罪被害者問題の改善に取り組んでいきたいと思っています。


令和4年5月24日  土師守