神経難病 “既存薬で治療可能”

神経細胞でたんぱく質が異常に固まって運動機能に障害を起こす難病を、すでに実用化されている別の病気の薬で治療することができると、大阪大学の研究グループがマウスを使った実験で明らかにしました。

大阪大学大学院医学系研究科の永井義隆教授らの研究グループは、情報の伝達を担う神経細胞でたんぱく質が異常に固まる、ポリグルタミン病という難病を研究しています。
この病気は、発症すると、うまく歩けなくなったりろれつが回りにくくなったりと体の機能に障害が出て、患者は全国に数万人いるとみられていますが、治療法はありません。
グループは、数万種類の物質で実験を重ね、「Lーアルギニン」というアミノ酸の一種が、たんぱく質が固まるのを防ぐことができると発見しました。
この病気を発症するように遺伝子を操作したマウスに「Lーアルギニン」を与えると、与えていないマウスと比べて、▽回転車でより長い時間運動を続けたり、▽細い棒をより短時間で渡りきったりできたということで、運動機能に障害が出る症状の進行を抑えられたとしています。
このアミノ酸は、別の病気の治療薬としてすでに実用化されていて、グループは効果を確かめる治験をことし始める方針です。
永井教授は、「Lーアルギニンはヒトに投与しても大きな害がないことはすでに分かっている。一刻も早く患者に治療薬を届けたい」と話しています。