JR西日本 木次線一部区間について協議申し入れへ

利用者が特に少なくなっている広島県北部と島根県を結ぶJR木次線の一部区間について、JR西日本は、地元の自治体に対し持続可能な交通体系について協議を申し入れたいという意向を示しました。
対象となっているのはJR木次線の広島県の備後落合駅と島根県の出雲横田駅の区間です。
JR西日本によりますと、この区間は、1日に平均何人を運んだかを示す「輸送密度」が2022年度は54人で、1998年度より34人減ってJR西日本管内で2番目に少なく多額の赤字を計上しています。
23日会見を開いたJR西日本山陰支社の佐伯祥一支社長は、「全国的に見ても利用が非常に少なく、通勤や通学、生活面の利用がほとんどない。鉄道の大量輸送という特性が発揮できていない」と課題を指摘しました。
その上で、「できるかぎり早いタイミングで地元の自治体に地域の移動の実態に応じた持続可能な交通体系について、特定の前提は置かずに相談したい」と述べ、地元の自治体に協議を申し入れたいという意向を示しました。
赤字のローカル線をめぐっては、広島県と岡山県を結ぶJR芸備線について、国と自治体、JR西日本などが路線の存続やバスへの転換などを話し合う「再構築協議会」がことし3月から開かれています。
佐伯支社長は、今後の協議の方法ついて、「再構築協議会は選択肢のひとつだが、再構築協議会ありきではなく、進め方も含めて自治体と相談したい」と述べました。

広島県の湯崎知事は「JRからの相談内容がこの区間の廃止を前提としたものであれば、相談には応じられない。具体的な説明があった場合には内容を踏まえて島根県や庄原市などと協議し対応を検討したい」とコメントしました。

また、庄原市の木山耕三市長は「国における前提の整理がなされていない現状で、JR西日本山陰支社が持続可能な交通体系について地元自治体に相談したいと発言したことは、到底理解できないものと受け止めている」とコメントを発表しました。