県立高校工事めぐる贈収賄事件 県元主査に2審も有罪判決

県立高校の改修工事の入札をめぐり、業者側に予定価格を漏らした見返りにスポーツの観戦チケットを受け取ったなどとして、加重収賄などの罪に問われた県の元主査の2審の裁判で、広島高等裁判所は「チケットに謝礼の趣旨が込められていることは明らかだ」として、1審に続いて執行猶予のついた有罪判決を言い渡しました。

県の建設産業課の主査だった曽根田英一被告(50)は、3年前に行われた県立高校の改修工事での一般競争入札で、土木建築業者「増岡組」の当時の副部長に工事の予定価格を漏らし、見返りにおよそ12万円相当のスポーツの観戦チケットを受け取ったなどとして、加重収賄などの罪に問われました。
1審の広島地方裁判所は去年10月に執行猶予のついた有罪判決を言い渡し、元主査側が「賄賂にはあたらない」などとして控訴していました。
25日の判決で、広島高等裁判所の森浩史裁判長は、「業者側と交わしたメッセージなどから、受け取ったチケットに価格を教えてもらったことへの謝礼の趣旨が込められていることは明らかで、賄賂性を認めた1審判決に誤りはない」として、1審に続いて懲役2年6か月、執行猶予4年、追徴金12万円余りの有罪を言い渡しました。