視覚障害の画家の絵集めた展示会

視覚障害のある画家の男性が30年にわたって描いてきた絵を集めた展示会が、広島市で始まりました。

広島市中区の県立美術館に展示されているのは、広島市出身の画家是永昭宏さん(52)の作品41点です。
是永さんは、高校生の時に視覚障害で視力が0.01程度まで大きく落ちましたが、ルーペを使って30年にわたり絵画の制作に取り組んできました。
是永さんは原爆と平和、広島の風景などを題材にしていて、このうち「ヒロシマ」という作品は爆心地を真上から捉え、原爆が炸裂して黒い雨が降り注ぐ様子や、命を失った人々が暗い色調で描かれています。
一方、10年後に描いた「ヒロシマ2015」は、原爆ドームや灯籠流し、それに母と子をイメージした像が鮮やかな色彩で描かれていて、平和な未来への希望を表現しているということです。
このほかにも、尾道の花火大会の様子を描いた作品なども展示されています。
会場を訪れた20代の男性は、「1つの絵の中にたくさんの色が使われていて、時間や心情の変化が詰め込まれているのがすばらしいと思いました」と話していました。
是永さんは、「視覚障害がある自分にしか描けない、希望やエネルギーを感じてもらえるような絵を描き続けていきたい」と話していました。
この展示会は、4月28日まで開かれています。