誤伐採の被爆樹木 樹木医が「枯死」診断 登録から抹消

「被爆樹木」と呼ばれる原爆による焼失を免れた木のうち1本を去年、広島県が誤って伐採した問題で、樹木医がこの木を「枯死」と診断し、被爆樹木の登録から抹消されることが分かりました。これで広島市に残る被爆樹木は1本減って159本となります。

広島市東区牛田本町1丁目の京橋川の護岸下にあった高さ3メートルほどのシダレヤナギは、爆心地からおよそ2キロ離れたところにあり2017年に「被爆樹木」に登録され、県が管理していました。
しかし、去年3月、県が発注した京橋川沿いの除草や雑木の伐採事業で、誤ってこのシダレヤナギが伐採されました。
その後、広島市から委託を受けた樹木医が1年間にわたって切り株の観察を続けましたが、新たに芽が出る可能性はないとして「枯死」と診断し、被爆樹木の登録から抹消されることが分かりました。
これで広島市に残る被爆樹木は160本から1本減って159本となります。
広島市平和推進課は「注意深く見守っていたがこのような結果になり残念だ。改めてすべての被爆樹木の所有者に保存の意義や価値を伝えて適切に管理するよう周知し、再発防止に取り組みたい」とコメントしています。