公共交通ビジョンまとまる

高齢化や人口減少が進み、バスや鉄道事業者の経営が厳しくなる中、広島県は、持続可能な公共交通の実現に向けたビジョンを初めてまとめました。

広島県はおととし、交通事業者や有識者でつくる協議会を設置し、持続可能な公共交通について議論を重ねてきました。
きょう開かれた会合では、これまでの議論を集約した「地域公共交通ビジョン」が全会一致で承認されました。
ビジョンでは、高齢化や人口減少に加え、新型コロナの影響でここ数年、交通事業者は特に厳しい経営状況が続き、運転手などの人材不足も深刻化していると指摘しています。
その上で、公共交通の利用促進など県内外の交流の強化、都市部と地方の交通アクセスの格差の解消、データの利活用や専門人材の育成の強化、そして、環境に優しい設備投資への支援と災害時の連携体制の構築という4つの基本方針が示されています。
また、ビッグデータを活用して地域を工場地域や住宅団地など6つのパターンに分類し、それぞれの人の移動の特徴に応じた対応をとるとしています。
協議会の会長を務める、広島大学大学院の藤原章正教授は「転出超過などの広島県の課題は交通によるところも大きい。各地で連携して課題の解決に取り組みたい」と話しています。
県では今後、このビジョンをもとに自治体や交通事業者と連携して具体的な施策の検討を進めることにしています。