東広島市 井戸から300倍PFAS検出

東広島市の川や水路で有機フッ素化合物「PFAS」のうち有害性が指摘される物質が国の暫定目標値を超えて検出された問題で、市は、周辺の井戸の水を調べた結果、新たに12か所で目標値を超えていたと発表しました。
市は地下水の汚染が確認されたと判断し、汚染範囲の特定に向け、学識経験者を交えた委員会を設置する考えを明らかにしました。

東広島市では、1月、市内を流れる河川と水路の3つの地点で、有機フッ素化合物の「PFAS」のうち、有害性が指摘される2つの物質の合算値が、国の暫定目標値を超えて検出され、市が近くの井戸の水質を検査していました。
このうち、目標値の80倍の濃度が検出された八本松町宗吉の水路の近くにある13の井戸の調査結果が、22日、発表され、12の井戸で目標値の2倍から300倍の高い濃度が検出されたということです。
市は、水路の水質が目標値を超えていることがわかった先月26日から、これらの井戸を利用する住民に井戸水を飲まないよう呼びかけていて、これまでに体調不良を訴えている住民はいないということです。
市は、地下水の汚染が確認されたとして、学識経験者を交えた委員会を今月中に設置し、汚染範囲や発生源を特定したい考えです。
高い濃度が検出された地点の近くにはアメリカ軍の弾薬庫があり、市は有害性が指摘される物質の使用の有無などについて国を通じてアメリカ軍に確認していますが、これまでのところ回答はないということです。
東広島市の高垣広徳市長は「今回の調査で大変大きなレベルの汚染が明らかになった。どのような範囲に影響を及ぼしているのか、地下水の調査を至急行いたい」と話しました。