放影研移転ゲノム調査来年度以降

広島市にある放影研=放射線影響研究所は、2025年度に広島大学の霞キャンパスに移転する計画などについて有識者に説明しました。

被爆者と被爆2世の遺伝情報=ゲノムの調査について来年度以降、あわせて500の家族を対象に本格的に始めるなどとしています。
広島市南区の比治山にある放影研は、原爆の放射線による健康への影響について研究する日米両政府が共同で運営する施設で、2025年度、同じ南区にある広島大学の霞キャンパスに移転する計画です。
21日は、地元の医師会や大学などの有識者を集めた「地元連絡協議会」で計画などの説明が行われました。
この中では移転する10階建ての研究施設のイメージ図が新たに公開され、研究者どうしの交流スペースを設けることなどが説明されました。
一方、建築資材の高騰などを背景に施設の建設が遅れ、当初の計画で目指していた今年度中の着工が難しくなったものの、予定どおり2025年度の完成を目指すということです。
今後の研究計画も報告され、被爆者と被爆2世の遺伝情報=ゲノムの調査について来年度・2024年度以降、あわせて500の家族を対象に本格的に行う予定であることが説明されました。
放影研の神谷研二理事長は協議会のあとの会見でゲノム調査について、「シンポジウムを開き社会に十分に理解してもらってから適切な時期を決めたい」と話していました。