大規模買収事件 佐藤元県議は2審も有罪

5年前の参議院選挙をめぐり、河井克行元法務大臣から現金を受け取った罪に問われた佐藤一直元広島県議会議員に、2審の広島高等裁判所は1審に続いて有罪判決を言い渡しました。

元広島県議会議員の佐藤一直被告は、河井元大臣から、妻の案里氏を当選させるための選挙運動への報酬と知りながら現金30万円を受け取ったとして公職選挙法違反の罪に問われました。
佐藤元議員は、「自身の県議選への当選祝いという認識だった」などと無罪を主張していましたが、1審の広島地方裁判所は去年7月に有罪判決を言い渡し、元議員側が控訴していました。
8日の2審の判決で、広島高等裁判所の森浩史裁判長は、「被告が県議選に無投票で当選してからおよそ2か月も経過したあとに差し出された現金が入った封筒について、元大臣がそれまでに一度も渡したことがない『当選祝い』と説明したというのは、やはり不自然といわざるを得ない」と指摘しました。
そのうえで、「選挙目前の時期に現金入りの封筒を渡されたことなどは、現金が買収の趣旨であることを想起させるのに十分な事情というべきで、1審判決に事実の誤認があるとは認められない」として1審に続いて罰金20万円と追徴金30万円の判決を言い渡しました。