運賃半額で利用客増?広島電鉄のバスで実証実験

広島電鉄は、利用客の落ち込みが続く一部のバス路線で、運賃を半額にして利用客の増加につながるのか実証実験を始めました。

実証実験を行うのは広島市安芸区の「阿戸学校」と熊野町の「広島電鉄熊野営業所」の間を運行する「阿戸線」です。
この区間は利用客の減少が続いていることから、広島電鉄は1日から、地域の住民を対象に運賃を通常の半額にして利用客の増加につながるのか検証します。
実証実験ではいまのICカード「PASPY」に代わり、ことし9月に導入予定の新しい乗車券システムのICカードが使われ、利用客はこのICカードを専用の機械にかざして車内に乗り込んでいました。
通勤で利用する熊野町の70代の女性は、「これまでのICカードと使い方は変わらず、割り引きの範囲が広がればもっと使いやすくなると思います」と話していました。
また、熊野町の20代の女性は「自転車で買い物に行っていますが、運賃が安くなったらバスの利用回数は増えると思います」と話していました。
広島電鉄新乗車券システム推進部の大上明紀部長は、「人口減少が止まらず高齢者が増えるなかで、地元の人に乗ってもらうために交通課題を洗い出し、利用客数がコロナ前に戻せるのかも検証したいです」と話していました。
この実証実験は、2月28日まで行われ、広島電鉄は利用客にアンケートをとって運賃引き下げの効果を検証することにしています。