女子少年院 社会復帰への職業訓練の様子を公開

東広島市にある女子少年院で、事業所の協力を得ながら行われた職業訓練の様子が、報道陣に公開されました。

少年院での取り組みを知ってもらおうと公開されたのは、中国地方で唯一の女子少年院で、東広島市にある「貴船原少女苑」で行われた職業訓練の様子です。
「少女苑」では社会復帰に向けて手芸に取り組んでいて、これまでは矯正展などに出品されるだけでしたが、おととしから市内の事業所の協力を得て、少女たちが作ったぬいぐるみやコースターなどが近くのリサイクルショップでも販売されるようになりました。
少女たちは、30日、買い付けに訪れた事業所の担当者に、自分たちで作った手芸品について「幅広い年齢の人に使ってもらいたいと思って作りました」などと魅力を伝え、36点が店で販売されることになりました。
自分たちで作った手芸品が店頭に並ぶことで、少女たちのやる気が高まるほか、どのようにPRするか考えることも職業訓練につながっているということです。
買い付けに訪れた就労継続支援B型事業所の「エミリィプラス」の中満健代表は、「お客さんの声や売れた喜びを少女たちに感じてもらうことで、地域や社会とのつながりを感じてもらいたい」と話していました。

【女子少年院の現状は】
昭和24年に開かれた「貴船原少女苑」は、中国地方で唯一の女子少年院です。
「貴船原少女苑」に新しく入る少女は、平成13年の58人をピークに減少傾向で、現在は13歳から20歳までの13人が入っているということです。
新たに入る少女が減る一方で、少女たちの中には発達障害や虐待を受けた経験があるケースもみられ、社会復帰にはきめ細やかな支援が必要だということで、「貴船原少女苑」では外部の協力も得た職業訓練や、地域でのボランティア活動などに力を入れているということです。
「貴船原少女苑」の須藤隆行苑長は、「社会から必要とされていないのではないかと感じている少女も多いので、製品作りやボランティアを通じて、自分たちが必要とされていると感じてもらうことが大切だ」と話していました。