安芸高田市の元妻殺害事件 元夫に懲役20年求刑

おととし、安芸高田市の住宅で元妻を包丁で刺して殺害した罪などに問われている43歳の元夫の裁判員裁判で、検察は「一方的に憎しみをつのらせ強固な殺意で犯行におよんだ」として懲役20年を求刑し、被告の弁護士は「精神障害により責任能力はなかった」として改めて無罪を主張しました。

住所不定・無職の熊谷良三、本名・付成亮被告(43)は、おととし2月、安芸高田市の住宅で当時36歳の元妻を包丁で複数回刺して殺害したとして、殺人などの罪に問われています。
広島地方裁判所で開かれた29日の裁判員裁判で、検察は争点となった責任能力について「被告は事件当日にインターネットで『身内での殺人事件』などと検索したうえ、元妻の住宅を特定するとホームセンターで包丁と革手袋を購入するなど合理的な行動をしていた」と主張しました。
そのうえで、「元妻が子どもに会わせてくれないとして一方的に憎しみをつのらせ、強固な殺意を持って犯行におよんだ」として懲役20年を求刑しました。
これに対し被告の弁護士は、「被告は長期間にわたって精神障害があり、事件当時、責任能力はなかった」として改めて無罪を主張しました。
判決は2月6日に言い渡される予定です。