JR芸備線 再構築協議会を全国初の設置 今年度中に初会合

厳しい経営が続くJR芸備線について、国は12日、路線の存続やバスへの転換などを話し合う再構築協議会を全国で初めて設置することを決めました。今年度中に初会合を開くことを目指すということです。

国は12日、広島駅から岡山県新見市の備中神代駅までのJR芸備線の全線を対象に再構築協議会を設置することを決めました。
去年10月に施行された法律に基づき、再構築協議会が設置されるのは全国で初めてで、協議会には国をはじめ、広島県や岡山県、それに沿線の4つの市、それにJR西日本のほか、バス協会や学識経験者などが参加します。
対象区間のうち、JR西日本が国に協議会の設置を要請した広島県庄原市の備後庄原駅と備中神代駅の区間は、鉄道の特性を生かせず早急な改善が求められる「特定区間」として、議論の中心となる見通しです。
この区間で1日に平均何人を運んだかを示す輸送密度は新型コロナの感染拡大前の2019年度で48人と、旧国鉄が分割・民営化された1987年度と比べると90%以上も減少し、厳しい経営が続いています。
国は参加者の日程を調整し、今年度中に初会合を開くことを目指すということです。
協議会では地方鉄道の利用促進や、バス転換に向けた実証実験を行うなど、地域の実情に沿った形で公共交通のあり方が話し合われる見通しで国は3年以内をめどに結論を出したいとしています。
広島県の湯崎知事は「広域的な取り組みを議論できる枠組みとしていただいたことに感謝したい。芸備線と沿線地域の活性化を含めた幅広い議論が行われ、芸備線の利用につながる交通手段の転換や新たな需要の創出ができるよう、広島市や三次市をはじめ関係者と連携・協働し、調査や実証事業を可能なかぎり行うよう提案するとともに、積極的な議論に努めたい」とコメントしています。