旧陸軍被服支廠1号棟 県が広島市に無償譲渡へ

国の重要文化財に指定される広島市にある「旧陸軍被服支廠」について広島県は所有する3棟のうち1号棟を耐震化工事を終えた後に広島市に無償で譲渡する方針であることが分かりました。耐震化にかかる費用については国の補助金も活用し、残りを県と市が折半して負担する方向で調整が進められています。

広島市南区にある「旧陸軍被服支廠」は最大規模の被爆建物で、去年11月に国の文化審議会が重要文化財の指定を文部科学大臣に答申しています。
県は4棟ある建物のうち3棟を所有していますが、このうち1号棟を耐震化工事を終えた後に広島市に無償で譲渡する方針であることが関係者への取材で分かりました。
重要文化財に指定されれば、国から耐震化工事費用の半額が補助される見通しとなっていて、残りを県と市が折半する方向で調整が進められているということです。
1号棟は国と県と市で構成する研究会が先月まとめた将来的な活用のイメージで、平和学習などの拠点として展示室や収蔵庫、講話会場などへの活用が想定されています。
県と市は耐震化などの保存費用についてそれぞれ来年度の当初予算案に盛り込むことにしています。