水不足の宮島弥山のトイレに職員が水運ぶ

広島県廿日市市の宮島にある弥山では、水不足の影響で山頂にある展望台のトイレが年末年始に使えなくなるおそれがあるとして、市役所の職員などが水が入った袋を背負って山頂の臨時の貯水タンクまで運ぶ作業にあたりました。

廿日市市の宮島にある標高530メートル余りの弥山には、年末年始に初日の出を見る目的などで多くの人が訪れます。
山頂にある展望台のトイレは、近くを流れる白糸川から水を確保していますが、9月以降に雨が少なかった影響で十分な量をくみ上げることができず、1度に多くの利用者が訪れると使えなくなるおそれがあるということです。
このため、29日は廿日市役所の職員と消防署員およそ100人が水を運ぶ作業にあたりました。
山の中腹までは消防車のタンクを使い、そこからホースを30本以上つなぎ合わせていったん水をプールにためてから、災害時に飲料水を入れるための透明の袋に水を移しました。
職員たちは、この袋を1人ずつ背負って500メートルほど山を登り、臨時につくられた貯水タンクまで運んでいました。
市では大みそかから元日にかけて職員を展望台に待機させ、必要に応じてこの貯水タンクからトイレの貯水槽に水を移すことにしています。
廿日市市の松本太郎市長は、「山にのぼる前にトイレを済ませてほしい」と呼びかけていました。