安芸高田市長「どう喝」 地裁「発言・投稿は真実と認められず

安芸高田市の石丸伸二市長から、3年前に「どう喝された」などとするうその発言や投稿をされて名誉を傷つけられたなどとして、市議会の山根温子議員が損害賠償を求めた裁判で、広島地方裁判所は「市長の発言や投稿は真実とは認められない」として市に対し33万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。

安芸高田市の石丸市長は、3年前に市議会内で山根市議から「議会を敵に回すなら政策が通らなくなる」などとどう喝されたと述べたほか、同様の内容をSNSに複数回投稿しました。
これに対し、山根市議がうその内容で名誉が傷つけられたなどとして、市と市長に対し賠償を求める訴えを起こしていました。
26日の判決で、広島地方裁判所の光岡弘志裁判長は、「市議による発言があったのかについて市長が作成したメモがあるが、単語を羅列したものにとどまり市長本人への尋問でも独自の解釈や誤った認識が差し挟まれている可能性を否定できず、市長の発言や投稿は真実とは認められない」と指摘しました。
そのうえで、「議会での発言や投稿は、市議の社会的評価を低下させ名誉を傷つけるもので、市長としての裁量を逸脱し、注意義務を尽くしておらず違法だ」として、市に対して33万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。
判決のあと会見を開いた安芸高田市議会の山根温子議員は、「3年2か月がたって、私のどう喝発言がなかったとやっと認められたので少しほっとしている。厳しい立ち位置だったが、議会としてはそれなりに頑張っているので、今後も市民を守れるように頑張っていく」と述べました。
判決について安芸高田市の石丸伸二市長は、「『議会を敵に回すと政策が通らなくなりますよ』の言葉どおりの動きになっている。その事実を公に示すことができた。よって、当初の目的は完遂したと評価している」とコメントしています。