尾道で「東京物語」ロケ地めぐるツアー 小津監督生誕120年

日本映画の巨匠、小津安二郎監督の生誕120年を記念して、尾道市で映画「東京物語」のロケ地をめぐるツアーが行われました。

ツアーは市などで作る実行委員会が企画し小津監督の生誕120年を記念して、尾道市が舞台となった「東京物語」のロケ地などを30人あまりがめぐりました。
昭和28年に公開された映画「東京物語」は、尾道市に住む老夫婦と離れて暮らす子どもたちの心のすれ違いを描いた物語で、ツアーでは映画の中で食事のシーンが撮影された旅館を訪れ、主演の原節子さんがこの旅館に滞在しながら撮影にのぞんでいたことが紹介されました。
また、妻を亡くした後に高齢の男性が海を眺めているシーンが撮影された浄土寺では、撮影に立ち会った先代の住職から聞いた話としていまの住職が「小津監督は、近くを走る汽車の音や光のあたり方など細部にまでこだわって撮影していた」というエピソードを紹介していました。
尾道市の70代の女性は「浄土寺の近くに住んでいたこともあり、映画のシーンを振り返りながら懐かしく思いました」と話していました。
実行委員会の山口真一委員長は「小津記念館を設立したいと考えていて、今回のツアーのような継承活動を行っていきたい」と話していました。