元警察官 “上司に指示されカラ出張していた”

広島県警察本部を去年3月に退職した男性が記者会見を開き、警察官だった際に当時の上司から指示されて、いわゆる「カラ出張」を6回にわたって行っていたことを明らかにしました。

広島市中区で記者会見を開いたのは、広島県警を去年3月に退職した40代の元巡査部長の男性と代理人の弁護士です。
それによりますと、元巡査部長の男性は福山市内の警察署に勤務していた令和元年から2年の間に、実際には出張していないのに書類を偽造して行ったように装ういわゆる「カラ出張」を6回繰り返し、日当などに加えて移動に使ったとしてガソリン代を不正に得ていたということです。
本来は2人の警察官が出張する必要がある業務でしたが、当時の上司から男性は「業務がまわらなくなるので行かなくていい」と言われ「カラ出張」として処理するよう指示されたほか、こうした対応をやめるよう意見を述べても聞き入れられなかったということです。
男性は去年3月に退職し、その後、県警察本部の監察官室に「カラ出張」を行っていたと申告していました。
会見で男性は、「警察では上司の命令は絶対なので『カラ出張』をしてしまったが、後輩たちに自分と同じ目にあわせたくないと考えた。警察にはよりよい環境を作ってほしい」と話していました。
【県警 “捜査・調査行っている”】
これについて、広島県警察本部監察官室は、「会見の内容は承知していないのでコメントする立場にない。出張に関連する不正な経費請求があったのではないかという情報があるので、現在、捜査や調査を行っている」とコメントしています。