旧日銀広島支店を復元し一般公開を再開

文化財としての価値を高めようと被爆後の姿に復元することを目指して工事が行われてきた旧日本銀行広島支店で9日から一般公開が再開されました。

1936年に建設され、爆心地から380メートルの場所にある旧日本銀行広島支店は、熱線や爆風の被害を受けたものの倒壊を免れました。
2000年には広島市の重要有形文化財に指定され、翌年から一般公開されてきました。
管理する広島市は、国の重要文化財への指定に向けて建物の価値を高めようと、被爆後に復旧工事を行った1950年代の姿を目指して、去年3月からおよそ2億6000万円かけて復元工事を行っていましたが、9日から再び一般公開を始めました。
工事は、残っている写真や仕様書などの資料に基づいて行われ、このうち、正面玄関を入ってすぐの一般事務室があった場所では、鉄製の扉の外枠をはけやローラーを使って木目調に復元したほか、天窓の格子に塗られていた白色のペンキをはがし、銅製の格子をむき出しにしています。
また、支店長室では、布張りの天井を取り払って当時の天井をあらわにしました。
広島市文化振興課の横山徹也課長は、「多くの人に来てもらい建物の歴史を知ることで平和の尊さを学んでほしい」と話していました。
旧日本銀行広島支店は、年末年始を除いて午前10時から午後5時まで開館しています。