離島の買い物支援 自動航行船の実証試験

瀬戸内海の離島に住む人の買い物を支援しようと、AI=人工知能を使って自動で航行する船の実証実験が大崎上島町の生野島で行われました。

この実証実験は国土交通省の委託を受けた船のシステム開発会社や生協ひろしま、それに自治体などで作る協議会が行いました。
24日は大崎上島の桟橋で生野島に住む人が事前に注文した商品を船に積み込み、大崎上島から生野島に向かいました。
船は定員10人で、カメラや光センサーで周囲の状況を把握しながら、AI=人工知能が最適なルートを判断して自動で航行します。
24日は近くをほかの船が通る場面もありましたが船を避けながら、25分ほどかけて6キロほど航行しました。
船が生野島に着岸すると早速、島の人が荷物を受け取っていました。
5世帯およそ10人が住む生野島には商店はなく、島に住む人は1日7往復ほど運航するフェリーに乗って買い物に出る必要があり、協議会ではこうした離島での生活を支援するため、実証実験を重ねて実用化を目指すとしています。
商品を受け取った島の人は「重たいものや冷凍食品を買いました。実験が進めば瀬戸内海の島に住む人も住み続けられると思います」と話していました。
生協ひろしま地域連携グループの川渕賢治課長は「定期航路の本数が少なく要望があっても離島に配達できなかったので、この実証実験を通して希望が見えてきたと思う」と話していました。
また自律航行システムを開発した「エイトノット」の共同創業者、堂谷香菜子さんは「将来的には1人が複数の船を同時に監視すれば安全に航行できるシステムを構築したい」と話していました。