「旧陸軍被服支廠」4号棟 早ければ来年度から安全対策工事

広島市にある最大規模の被爆建物「旧陸軍被服支廠」のうち国が所有する1棟について、中国財務局は早ければ来年度から建物の補修や耐震化などの安全対策工事を行う方針を明らかにしました。

「旧陸軍被服支廠」は現存する4棟ある建物のうち1棟、4号棟を国が所有していて、中国財務局が耐震化工事の時期や方法などについて検討を進めていました。
中国財務局の錦織功政局長は1日、記者会見を開き、国の来年度予算案の概算要求で、4号棟の建物の価値を損なわずに利活用を行うための安全対策工事の予算を要求したことを明らかにしました。
れんが壁の補修や耐震性能を向上させるための鉄骨による補強、それに、屋根瓦のふき替えなどの工事を来年度から3年かけて行う想定だということです。
「旧陸軍被服支廠」をめぐっては4棟のうち3棟を保有している広島県が国の重要文化財への指定を求めています。
記者会見で、錦織局長は「被服支廠の歴史的な価値と重要性は私たちも認識している。どのような形で残していくのか県や広島市と一緒に考えていきたい」と述べました。