かき養殖効率化へ “幼生”検出アプリの実証実験

広島特産の「かき」を効率的に養殖するため開発された、かきの「幼生」を検出するアプリを使った海の上での実証実験が、22日公開されました。

このアプリは、海水を撮影した画像から、そこに含まれるかきの赤ちゃんにあたる「幼生」の数や成長の度合いをAI=人工知能が判断し、その海域の位置情報も地図で共有できます。
かきの養殖の効率化を目指す広島県の事業として、中国電力の「エネルギア総合研究所」と兵庫県の民間の研究機関が共同で開発し、廿日市市沖合で行われている実証実験の様子が22日公開されました。
かきの養殖では、赤ちゃんにあたる「幼生」を貝殻に付着させる「採苗」と呼ばれる作業を適切なタイミングで行うことが生産量を左右します。
現在は海水を沖合から持ち帰り顕微鏡で見るなどして採苗のタイミングを判断していますが、このアプリを使えば船の上でその海域にいる幼生の数や成長の度合いがスマートフォン上に画像で示されるため、「採苗」を行う適切な時期やエリアを効率的に判断できる効果が期待できるということです。
実証実験は2年前から行われていて、改良を重ねて来年度中の実用化を目指しているということです。
中国電力エネルギア総合研究所西田有理花研究員は「実際に生産者の方にこのようにアプリを使用してもらい以前と比べて楽になったという声もいただき、役立っていることがうれしい」と話していました。
実証実験に協力している地御前漁協青年部部長の増木・進一さんは「昔は顕微鏡を使って人間の目でかきの幼生がいるかを確認していたが、このアプリではAIが確認してくれるので手間が省けてすごく楽になりとても助かっている」と話していました。