原爆養護ホームで黙とう 犠牲者に祈りを捧げる

被爆をして体などに障害があるため、介護を自宅で受けることが困難な被爆者が今も暮らす広島市の原爆養護ホーム「倉掛のぞみ園」では、6日、4年ぶりに入所者が集まって、犠牲者に祈りをささげました。

77歳から108歳までの被爆者199人が暮らす広島市安佐北区の原爆養護ホーム「倉掛のぞみ園」では、このうち42人が食堂に集まりました。
集まった人たちは、平和記念式典の模様を放送しているテレビをじっと見つめ、原爆が投下された時刻の午前8時15分になると目を閉じ静かに手を合わせて黙とうをしました。
新型コロナウイルスの影響から、この施設で入所者が集まる形で祈りを捧げるのは、4年ぶりとなります。
爆心地からおよそ1.5キロの東白島町の自宅で被爆した木本美智子さん(93)は「原爆投下でピカッと光り目をやられて緑内障などを患い、家の下敷きになりました。火がついた人が川に入っていって生き地獄でした。2度と起きてはいけません。平和になりますようにと祈りました」と話していました。
また看護学生の時に爆心地からおよそ1キロの基町の屋外で被爆した栗栖イツヨさん(96)は「大勢の亡くなった人に祈りました。原爆投下後は人がぱたん、ぱたんと倒れていき、大変なことが起きていました。被爆者は今も苦しんでいる人が多く、戦争はひとつもいいことがありません。核兵器廃絶を願っています」と話していました。