原爆文学資料 ユネスコ「世界の記憶」登録申請へ

広島市で原爆文学の資料を保全する活動をしている市民グループが、原爆詩人や作家が残した直筆の原稿や手帳などの資料についてユネスコの「世界の記憶」への登録を申請することになりました。

市民グループがユネスコの「世界の記憶」への登録を申請するのは、詩人、峠三吉の「原爆詩集」の直筆の原稿と、詩人、栗原貞子のノート、作家、原民喜が原爆投下直後の街の様子を記録した手帳、それに、作家、大田洋子の小説「屍の街」の原稿など、6点です。
「世界の記憶」は世界各地に伝わる重要な古文書などを人類の財産として保護しようとユネスコが登録するものです。
市民グループは、これまで広島市と共同で2015年とおととしの2回、登録を申請しましたがいずれも国内選考で漏れ、3回目の今回は8月下旬までにユネスコの国内委員会に申請し被爆80年となる2025年の登録を目指すということです。
広島文学資料保全の会の土屋時子代表は、「世界情勢が緊迫化し、核の脅威が高まる中、原爆を体験した作家たちが残した文学の力はより大事になってくる。人類の遺産として残さなければいけないと感じている」と話していました。