大規模買収事件 渡辺典子県議に有罪判決

4年前の参議院選挙をめぐり、河井克行元法務大臣から現金を受け取った罪に問われた広島県議会の渡辺典子議員に対し、広島地方裁判所は罰金の有罪判決を言い渡しました。
判決が確定した場合、渡辺議員は失職します。

広島県議会の渡辺典子議員は、河井元大臣から、妻の案里氏を当選させるための選挙運動への報酬と知りながら現金10万円を受け取ったとして公職選挙法違反の罪に問われました。
裁判では受け取った現金に買収の趣旨が含まれていたかと、渡辺議員の認識が争点となり、議員側は「政治団体間の寄付で、買収の目的は含まれていない」として、無罪を主張していました。
19日の判決で、広島地方裁判所の日野浩一郎裁判長は「元大臣は、渡辺議員の支援者に面会し案里氏のポスターの掲示などを依頼した直後に、2人きりの車内で10万円を渡している。案里氏を当選させるための選挙運動への期待がはっきりあらわれている経緯や時期、場所での現金の供与で、買収の趣旨があったことと、渡辺議員もその目的での供与を認識していたことが推認できる」と指摘しました。
そのうえで「議会制民主主政治の根幹をなす選挙の公正さを害する悪質な行為で、安易に買収の金を受け取ったことは強い非難を免れない」として、罰金10万円と追徴金10万円を言い渡しました。
この判決が確定した場合、公民権が5年間停止され、渡辺議員は失職します。
有罪判決を受けたことについて、渡辺議員は「今は信じられずことばが出ないが、判決は間違っていると思う。無罪だという主張は変わらずに続けたい」などと述べて、即日控訴したことを明らかにしました。
弁護団の弘中惇一郎弁護士は「論理は別にしてとにかく有罪を書かないといけないという判決だと思う」などと話していました。