広島市 6つの被爆建物 ’国の史跡’申請へ

広島市は、原爆でおよそ160人が亡くなり被爆者の消息を記した「伝言」が残されている袋町小学校の平和資料館など6つの被爆建物を、「国の史跡」に指定するよう文化庁に申請する方針を固めました。
指定されれば、広島の被爆建物としては原爆ドーム以来となります。

広島市が「国の史跡」の指定を申請するのは、袋町小学校平和資料館、本川小学校平和資料館、平和公園レストハウス、旧日本銀行広島支店、旧日本軍司令部跡の防空作戦室、それに多聞院の鐘楼のあわせて6つの被爆建物です。
このうち当時、袋町国民学校だった袋町小学校平和資料館は、爆心地からおよそ460メートルの場所にあり、児童や教職員およそ160人が亡くなり、爆風でゆがんだ鉄製のドアや被爆者の消息を記した「伝言」が残されています。
広島市は令和2年度から申請に向けた本格的な調査を進めていましたが、被爆当時の姿を比較的良好に残し被爆の痕跡がはっきりと確認できるほか、一般に公開されているなど被爆の実相の継承に活用されているとして、これらの6つの建物を候補にしたということです。
「国の史跡」に指定されれば保存にあたって国からさらに支援を受けられるということで、広島市は、13日、市の文化財審議会に報告し、14日、文化庁に申請する方針です。
広島の被爆建物では、原爆ドームが平成7年に「国の史跡」に指定されています。