平和公園などの設計コンペ募集要項を公開

平和公園などの設計コンペ募集要項を公開

原爆投下から4年後に広島市が行った平和公園などの設計コンペの募集要項が見つかり、広島市公文書館で公開されています。

広島市は、原爆の投下により壊滅的な被害を受けた広島市中区の中島地区を平和公園として整備するため、昭和24年に平和公園と原爆資料館の設計コンペを行いました。
その時の募集要項2点が、当時、建築家としてコンペに応募した故・佐藤重夫広島大学名誉教授の遺族の自宅からおととし見つかり、ことし4月に遺族から市に寄贈されました。
募集要項の表紙には現在の原爆ドームであるかつての産業奨励館のイラストが描かれ、中には「元産業奨励館の残骸があるが、これは適當修理の上存置する予定」と書かれています。
また、当時、佐藤氏に代わり市役所に書類を受け取りに行った知人からの書簡も展示され、市の職員から元産業奨励館については爆撃の記念として現状のまま残すと口頭で伝えられたことが記されています。
広島市公文書館は、市が当時、元産業奨励館を残して整備する方針だったとみています。
広島市公文書館の岡本昭子主事は、「広島市の平和公園整備の意図を感じ取ってもらえる。ぜひ原本を見に来てほしい」と話しています。
ほかに寄贈された資料などあわせて12点はことし8月18日まで公開されますが、原本の公開は7月7日までと、8月1日以降だということです。