聴覚障害がある人たちの被爆体験を知る講座 原爆資料館
聴覚に障害がある人たちの被爆体験を知ってもらうための講座が、広島市の原爆資料館で開かれました。
この講座は、78年前の原爆投下の際に被爆した聴覚に障害がある人たちの体験や苦労について知ってもらおうと、広島市の広島平和文化センターなどが企画しました。
講座では、原爆被害について研究している広島市立大学の四條知恵准教授が、原爆が投下されたころは聴覚障害がある人への言語教育が進んでおらず、社会的に孤立していたとした上で、その結果、被爆後も原爆の放射線被害のことや、被爆者健康手帳について知らなかった人が多くいたことなどを説明しました。
被爆者に代わって体験を手話で語り継ぐ取り組みを行っている団体のメンバーによる体験講話も行われ、耳が聞こえないために、空襲警報や爆撃音に気づけず逃げ遅れかけたことや、被爆後、1年以上たって初めて「原子爆弾」という言葉を知ったことなどが語られました。
四條准教授は「ろう者の被爆は、当時の社会的状況などもあり当事者たちが語りづらいものだった。広島の被爆にも多様な声があることを知ってほしい」と話していました。