原爆犠牲者の名簿に風を通す作業 平和公園で

G7広島サミットで各国の首脳が訪れた広島市の平和公園で、原爆の犠牲者の名簿を慰霊碑から取り出して風を通す作業が行われました。

この作業は、広島市の平和公園にある原爆慰霊碑に納められた犠牲者の名簿が湿気で傷まないよう風を通すもので、ことしはG7広島サミットがあったため、例年より1週間遅れて行われました。
24日は市の職員19人が、原爆が投下された時間の午前8時15分に碑の前で黙とうをささげたあと、納められた124冊の名簿を取り出して白い布の上に並べました。
名簿には、広島で被爆して去年の8月5日までに亡くなった33万3907人の名前などが記されていて、職員たちは1枚ずつページをめくって風を通しながら傷みがないか確認していました。
G7広島サミットに合わせて、平和公園には各国の首脳らが訪れて慰霊碑に献花し、犠牲者を追悼しました。
広島市原爆被害対策部の住田達哉調査課長は「各国首脳の訪問で注目される中、並べられた名簿の多さから核兵器の悲惨さを多くの人に実感してほしい」と話していました。
来月からは、新たに亡くなった人の名前を書き加える記帳が行われ、8月6日に慰霊碑に納められます。