G7 ICAN川崎氏「とても失望」

21日閉幕したG7広島サミットについて、ICAN=核兵器廃絶国際キャンペーンの国際運営委員を務める川崎哲さんは、「核兵器の廃絶に向けて行動が伴う成果がなく、とても失望している」などと見解を述べました。

ICAN=核兵器廃絶国際キャンペーンの国際運営委員を務める川崎さんは、21日、G7広島サミットの取材拠点の「国際メディアセンター」で報道各社の取材に応じ、きのう閉幕したサミットについて見解を述べました。
川崎さんはまず、閉幕後にウクライナのゼレンスキー大統領が広島市の原爆資料館を訪れ、記者会見で戦争のない世界を求めたことに触れて「市民が傷つけられた広島の様子を国の惨状に引きつけていた。これが最後の戦争になるようにと話し、戦後の復旧への言及もあった。戦争のない世界を、この状況でも構想するという大きな視点だった」と評価しました。
一方で、核軍縮に焦点を当てた首脳声明の「広島ビジョン」などについては「“相手の核兵器は悪いが自分たちの核兵器はいい”と各国が言っているかぎり、起きることは核軍拡競争で、最終的にはわれわれ全員の破滅だ」と指摘しました。
そのうえで、今回のサミット全体の評価として「世界の多くの指導者が原爆資料館を訪れたことはよかったが、実際の核兵器廃絶の行動が伴わないといけない。その意味では成果がなく、とても失望している」と話していました。