G7 各国首脳が原爆資料館を約40分視察 被爆者はどう見た

【広島県被団協・箕牧智之理事長】
広島県被団協の箕牧智之理事長はG7各国の首脳が平和公園を訪れた様子をテレビで視聴しました。
箕牧さんは、各国首脳の原爆資料館の視察がおよそ40分だったことについて「時間が短いのではないか。この時間でたくさんのものを見られるわけがないし、惨状が分かったという所まではいかないのではないか」と話しています。
その上で、「記帳をしたり被爆者の証言を含めてどれが何分だったか詳細なことを知りたい。何をどれくらい、どんな気持ちで見たか感想を聞きたい」と話していました。

【被爆者・田中稔子さん】
被爆者の田中稔子さんは、G7各国の首脳が平和公園を訪れた様子をテレビで視聴しました。
田中さんは、アメリカのバイデン大統領が原爆資料館から出てきた時の表情について「随分深刻な、痛ましい顔をしていたので、バイデン大統領の心には、原爆の惨状が以前より響いてるのではないかと感じました」と話していました。
また、田中さんは、「被爆者の話は原爆を目の前で見た人の話です。首脳たちにはその話を心に政治をしてほしい。世界から核兵器をなくす方向に動かしてほしい」と話しています。

【被爆者・森下弘さん】
14歳の時に爆心地からおよそ1.5キロの地点で被爆し、過去にはウクライナやロシアを訪問して現地の学生などに自身の体験を証言したこともある森下弘さん(92)は、19日、各国首脳が平和公園を訪れ、原爆資料館を訪問したことを広島市佐伯区の自宅からテレビで見守りました。
森下さんは各国首脳の訪問について「ウクライナへの軍事侵攻が起こったり、核廃絶への議論が停滞したりする中、資料館の展示を見ることでこの悲惨な出来事は広島と長崎であっただけでなく今後、自分たちにも起こりうることだと考えて欲しい」と話していました。
その上で原爆資料館を訪問したことについて「滞在した時間ではなく、どのような資料を見たかが大切だ。このようなことが2度と起きてはいけないと心の中に感じて欲しい」と話していました。

【ICAN・川崎哲さん】
ICAN=核兵器廃絶国際キャンペーンの国際運営委員を務める川崎哲さんは、G7広島サミットで各国の首脳が原爆資料館を訪問する様子をスマートフォンで視聴しました。
川崎さんは、各国首脳が原爆資料館を訪れたことについては、「G7の7か国は核兵器に対して非常に大きな責任を負っていて、その国々の首脳たちが核兵器の被害を見つめるということでは意義があったと思う」と述べました。
その上で、「自分たちが管理する、保有する、依存している核兵器についての考え方が変わったのかどうかを聞いてみたい。これから始まる議論の中で、首脳たちが核兵器廃絶のためにどのような議論をするか、首脳たちが出す声明の中身をこれから注目していきたい」と話していました。