オオサンショウウオの保全に取り組む組織 広島大学で発足

国の特別天然記念物で外来種との交雑が進み絶滅の恐れが指摘されている「オオサンショウウオ」の保全に取り組む組織が、広島大学で発足しました。

世界最大級の両生類で国の特別天然記念物であるオオサンショウウオは、近年、外来種との交雑が進み、このまま交雑が進むと在来種が絶滅する恐れが指摘されています。
これを受けて広島大学は1日、在来種の保全に取り組む「オオサンショウウオ保全対策プロジェクト研究センター」を学内に立ち上げ、広島市で会見を開きました。
それによりますと、国内で交雑種が最初に確認された京都市の鴨川水系では、およそ98%のオオサンショウウオが交雑種に置き換わり、広島では、去年5月に広島市西部を流れる八幡川で交雑種が初めて見つかったということです。
センターでは今後、八幡川での交雑種の実態調査を進めるとともに、低コストで交雑種を判定できるDNA鑑定の手法の開発や保全について、市民の理解を得るための公開講座の開催などに取り組むことにしています。
センター長に就任した広島大学の清水則雄准教授は「川の生態系の頂点にいるオオサンショウウオを守ることで、その下にいる生き物や豊かな日本の自然を守ることにつなげたい」と話していました。