英 “ウクライナに劣化ウラン弾供与” 被爆者団体が抗議声明
さく裂した際に飛び散る放射性物質が人体に悪影響を及ぼす可能性があると指摘されている劣化ウラン弾を、イギリス政府がロシアからの軍事侵攻を受けるウクライナに供与することを明らかにしたことについて、広島県内の7つの被爆者団体が抗議の声明を発表しました。
抗議の声明を発表したのは、広島県内の7つの被爆者団体で、広島市役所で24日、記者会見を開きました。
声明では、イギリス政府がウクライナへの劣化ウラン弾の供与を明らかにしたことについて、「劣化ウラン弾は非人道兵器であり、被爆者として許すことが出来ない」などとした上で、ロシアの撤退や対話による和平への努力を急ぐよう求めています。
劣化ウラン弾は鉄や鉛より密度が高く、戦車などの厚い装甲も貫く破壊力がありますが、さく裂した際に飛び散る放射性物質が人体に悪影響を及ぼす可能性があると国連機関などが指摘しています。
広島県被団協の箕牧智之理事長は「戦争がエスカレートすることが懸念される。ウクライナ侵攻が早く終わることを願うばかりだ」と話していました。
また、もう1つの県被団協の佐久間邦彦理事長は「劣化ウラン弾は即刻廃止すべきで、イギリスの行為は許されない」と話していました。
7つの被爆者団体は今後、イギリスの駐日大使館に抗議声明文を送ることも検討しています。