マスク着用「個人の判断」 高齢者施設では懸念も
新型コロナ対策としてのマスクの着用が13日から個人の判断に委ねられることになりましたが、介護が必要な高齢者が暮らす施設では、新型コロナへの警戒感が緩むのではないかと懸念する声も出ています。
厚生労働省はマスクの着用が効果的な場面を3つ挙げています。
(1)医療機関を受診するとき。
(2)重症化リスクの高い人が多い医療機関や高齢者施設などを訪問するとき。
(3)通勤ラッシュなど、混雑した電車やバスに乗車するとき、の3つです。
また、重症化リスクの高い人が多くいる医療機関や高齢者施設などの職員については、勤務中のマスクの着用を推奨するとしています。
竹原市にある特別養護老人ホーム「瀬戸内園」では、支援なしでは歩くのが難しい「要介護3」以上の高齢者およそ60人が生活しています。
クラスターの発生を防ぐため、▽手洗いや消毒、▽定期的な換気、▽そして職員の抗原検査などを徹底して行い、こうした対策は今後も続けるとしていますが、中川勝喜施設長はマスクの着用が個人の判断に委ねられたことで、新型コロナへの警戒感が緩むのではないかと懸念しています。
中川施設長は、「高齢者は感染すると重症化するリスクが高いので、職員には仕事中はマスクをつけてもらうが、プライベートでどこまで踏み込むかは難しい問題で、日常生活でも気をつけてほしいという『着用のお願い』しかできないと思う」と話しています。
その上で、中川施設長は多くの人の感染対策が結果的に重症化リスクがある高齢者などを守ることにつながるとして、「制限が緩やかになることはいいことだと思うが、気の緩みや慣れが出てくるのではないかという危惧はある。一人ひとりが自分自身を守ることがほかの人も守るということをよりいっそう考えてほしい」と呼びかけています。
また、「高齢者施設は集団生活の場であり、クラスターが起きると危険性が高い。クラスターになった場合の医療や予防の態勢について、行政には引き続き支援をお願いしたい」として、国や自治体に対して取り組みを継続するよう求めていました。