被爆建物「旧陸軍被服支廠」活用を考えるシンポジウム

広島市にある最大規模の被爆建物、「旧陸軍被服支廠」の保存や活用方法について考えるシンポジウムが東広島市で開かれました。

広島市南区にある「旧陸軍被服支廠」は、戦時中、軍服などが製造され、原爆が投下された直後は臨時の救護所となった被爆建物で、4棟のうち3棟を県が、1棟を国が所有しています。4日、広島大学の東広島キャンパスで旧陸軍被服支廠の保存や活用方法について考えるシンポジウムが開かれました。
はじめに、建築物の魅力を発信する活動を行っている市民団体の高田真代表が登壇し、被服支廠は国内で最古級の鉄筋コンクリート造りの建築物で、広島が軍都だった時代を五感で感じられる大きさを誇り近代史を語る上で重要だと説明しました。
このあと、建築や地域活性化が専門の大学教授なども加わって議論が行われ、参加者からはまずは雨漏りの対策など劣化を止める工事を早急にすべきだとか、まちの風景として身近に思えるように周囲の敷地を緑のある通りにするといった意見が出ていました。
シンポジウムを主催した日本建築学会中国支部の中村尚弘支部長は「被服支廠をどう活用するかはすぐに決着する問題ではないので今後も議論を継続していきたい」と話していました。