護衛艦事故めぐり海自トップ “運航のあり方に原因か”

山口県沖の瀬戸内海で護衛艦が自力航行できなくなった事故について、海上自衛隊トップの海上幕僚長は、浅瀬に乗り上げた可能性が極めて高いとしたうえで、護衛艦の運航のあり方に原因があったとみて、調査を進めていることを明らかにしました。

今月10日、護衛艦の「いなづま」が、山口県の周防大島沖の瀬戸内海でスクリューの羽根の一部が脱落するなどして自力航行できなくなった事故では、海上自衛隊の事故調査委員会などが原因を調べています。
海上自衛隊トップの酒井良海上幕僚長は17日、事故のあと初めて開かれた記者会見で、「国民の皆さまにご心配をおかけし、大変申し訳ない。防衛力の抜本的強化への取り組みに水を差す結果となり、深く反省している」と述べ、謝罪しました。
また、これまでの調査から、護衛艦は現場近くにある浅瀬に乗りあげた可能性が極めて高いとしたうえで、エンジンやレーダーなどの機器は故障しておらず、天候も問題なかったことなどから、当時の運航のあり方に原因があったとみて、調査を進めていることを明らかにしました。
そのうえで当面の再発防止策として、護衛艦の部隊に対し当直体制の確認や、浅瀬への乗りあげ事故などの事例研究を実施するよう指示したとしています。