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2021年4月21日(水)

ロシア “独自戦略”の思惑
~米中対立の中で~

ロシア “独自戦略”の思惑 ~米中対立の中で~

20年以上にわたってロシアを率いるプーチン大統領。政治的ライバルの毒殺疑惑、ウクライナ国境付近への部隊増強など、"強権的な"姿勢を強めている。欧米諸国が制裁を強化する中、急速に関係を深めているのは中国。かつて激しい戦闘があった国境地帯の町には、橋やガスのパイプラインが建設され経済交流が深化。軍事面での連携も進んでいる。愛国心と強いリーダーシップを訴え今も6割の支持率を誇るプーチン大統領。米中対立を横目に進むロシアの独自戦略、その内実に迫る。

※放送から1週間は「見逃し配信」がご覧になれます。こちらから

出演者

  • 小泉悠さん (東京大学先端科学技術研究センター 特任助教)
  • 井上 裕貴 (アナウンサー) 、 保里 小百合 (アナウンサー)

強権的姿勢強める プーチン大統領 若者に広がる反発の声

1月。治療を受けていたドイツから帰国した、野党勢力の指導者・ナワリヌイ氏。直ちに拘束され、刑務所に収監されました。

支持者によれば当局による虐待などもあり、ここに来て健康状態が急速に悪化しているといいます。ナワリヌイ氏のグループが公開した、プーチン氏の宮殿だとする映像です。

「宮殿の中を見れば、プーチンが常軌を逸していることが分かるでしょう」

「プーチンは退陣しろ!」

この告発を受け、若者を中心とした政府に対する抗議活動がロシア全土に広がりました。プーチン政権が始まって以来、初めてのことです。当局は力で抑え込み、人権団体は100を超える都市で1万人以上が拘束されたとしています。

ロシア北部の街で1人、デモに立つ姿をSNSに投稿した男性がいました。ニキータ・トゥシカノフさん。プラカードに掲げたことばは「沈黙か、さもなくば死か」。

その覚悟も語っていました。

ニキータ・トゥシカノフさん
「なぜ私は、自分の意見を言うことを恐れなければならないのか?半年で物価が5割も上がったのに、1,000億ルーブルもする宮殿を建てた人がいる。これ以上、我慢できない」

地方の若い世代を突き動かしているのは何か。モクスワから1,000キロ離れた人口8,000の町に暮らす、ニキータさんを訪ねました。

ニキータ・トゥシカノフさん
「いらっしゃい」

当局の監視を警戒して、取材は家の中だけで行われました。ニキータさんは26歳。地元の高校の教師です。生徒たちもデモを行いたいと望んだものの学校は認めず、ニキータさんは1人で街頭に立ちました。

<ニキータさんと生徒のSNSでのやりとり より>

生徒
「先生は一人だったんですか?」

生徒
「一人でデモ?」

ニキータ・トゥシカノフさん
「職務質問された。すごく寒かった。1時間半」

生徒
「先生、すげー」

ネットであらゆる情報を入手する若者たち。地方を置き去りにし、格差を放置しているとして政府に対し、不満を募らせていました。

ニキータ・トゥシカノフさん
「生徒からこんな質問が出たこともあります。"私たちはヨーロッパに送るガスや石油を掘っているのに、なぜ私たちの家にはガスがないのか。今もペチカで暖を取っているのに"と。モスクワに対しては反感があります。なぜなら地方には何も残らないからです」

ニキータさんは、教育現場にまで当局が圧力を強めていることも危惧していました。これは、ある高校の授業で政府が推奨する愛国教育が行われたときの様子です。

教師
「"英雄"ナワリヌイは権力を持っていますか?」

生徒
「いいえ」

教師
「持っていない!その通りです。彼の本当の目的は何でしょうか?」

生徒
「権力を手に入れること」

教師
「そうですね。その通り。どんな時も(ナワリヌイの)誘いに乗ったりしないように!」

ニキータさんは、こうした授業をすることを拒否し、あくまで客観的な考え方を教えようとして学校側と対立していました。

<学校側との会話を録音したもの>

学校側
「今、一番重要なのは愛国教育です」

ニキータ・トゥシカノフさん
「是が非でも、祖国を愛すべきだというのはおかしいです」

学校側
「大統領のおかげで私たちは仕事をし、給料をもらっているのです。そのことを分かっているのですか?」

先月末。ニキータさんは学校から突然、解雇通知を手渡されました。1人でデモを行ったことや、学校の教育方針に従わなかったことがその理由でした。生徒の卒業を前に、ニキータさんは学校を追われました。

強権的姿勢強める プーチン大統領 いまだに支持率6割超 そのワケは

若者に広がる反プーチンの動き。世論調査では18歳から24歳までの過半数が、大統領の続投を望まないと答えています。ところが全世代で見ると、続投を望むと答えた人が最も多かったのです。

モクスワ郊外の木工職人、イーゴリ・テリャトニコフさん。プーチン氏に代わるリーダーはまだいないと考え、デモにも参加していません。

イーゴリ・テリャトニコフさん
「ナワリヌイ氏には、理念が欠けています。将来性のあることは語れません。今はプーチン大統領でいいです。事態が極端に悪くなりませんから」

イーゴリさんは現在53歳。30年前、ソビエトが崩壊したあとの混乱を鮮明に覚えています。社会主義体制から急速に市場経済化が進んだことで、国内は混乱。大国としての地位や誇りも失われました。

その国を立て直したのが、強いロシアを掲げて2000年に大統領に就任したプーチン氏でした。イーゴリさんは若者が望む、より民主的で開かれた社会よりも、経済や治安の安定が優先されるべきだと考えています。

イーゴリ・テリャトニコフさん
「ロシア皇帝もソビエトの書記長も、死ぬまで続けました。ロシアは頻繁に指導者が変わった経験がありません。民主的な政権交代は、ロシア人の気質に合わないのです」

強権的姿勢強める プーチン大統領 緊迫ウクライナ国境 その思惑は?

対外的にも、プーチン大統領は強硬な姿勢を打ち出しています。隣国・ウクライナの国境地帯に、10万人以上と見られるロシア軍の部隊を集結。軍事演習を繰り返し、緊張が高まっています。

ロシアはこれまで、ウクライナが西側の欧米諸国に近づこうとするたびに圧力をかけてきました。2014年には、ロシア系住民が多く暮らすウクライナ南部のクリミアを一方的に併合。

ロシア プーチン大統領
「大多数のクリミアの住民とロシア国民が、クリミアのロシア編入を支持している」

このときロシア国内では愛国心が高まり、プーチン氏の支持率は80%余りまで跳ね上がりました。欧米各国から強い批判を受けてきた、プーチン氏。今、国民に訴えているのは、ロシアは欧米とは違うという考え方です。

ロシア プーチン大統領
「ロシア人はアメリカ人とは違う。私たちは遺伝子も違うし、文化的にも異なるルールを持っている」

クリミアを併合する前、ロシアはヨーロッパだと考える人が半数以上を占めていました。しかし今では、6割以上がヨーロッパではないと考えるようになり、プーチン氏に賛同する人が増えているのです。

30年にわたって、プーチン氏を間近で見てきた人がいます。リュドミラ・ナルソワ上院議員です。ナルソワ議員の夫は、かつてサンクトペテルブルクの市長を務めたサプチャク氏でした。ソビエト崩壊後、西側諸国と積極的に交流を図りながらロシアの民主化を進めようとしていました。その右腕として支えていたのが、若き日のプーチン氏でした。

2000年、サプチャク氏は志半ばでこの世を去ります。この年に大統領に就任したのが、プーチン氏でした。それから20年余り。ナルソワ議員は、夫がプーチン氏に託した民主化への希望をまだ信じたいといいます。

リュドミラ・ナルソワ上院議員
「私の知る限り、プーチン氏は多くのものを夫から受け継ぎました。彼は最初の選挙では、"法の支配"をスローガンに掲げていました。あのときのことを思い出してほしい。民主化への道は中断してはなりません。これを強化して、新たな民主主義の芽を育んでいかなければならないのに」

強権的姿勢強める プーチン大統領 現地からの最新情報

井上:独自の路線を突き進む、プーチン大統領。その思惑に迫っていきます。まず、強硬姿勢をなぜ貫くのか。中国への接近、その先に何を見据えているのか。そして、日本はどう向き合えばよいのかを考えていきます。

保里:21日、プーチン大統領が国民にこの1年の方針を示す、年次教書演説が行われました。そして同じく21日、各地でデモも行われています。モスクワで取材を続けている、松尾支局長に聞きます。松尾さん、プーチン大統領は演説で何を訴えたのでしょうか。

松尾寛(モスクワ支局長):プーチン大統領の演説は、日本時間で21日の夜6時から1時間半ほど行われました。演説のほとんどは国内の政策に当てられ、国内の地名をくまなく挙げて支援する姿勢を強調していたことが印象的でした。こうした背景には、ナワリヌイ氏の呼びかけを受けて、政権に抗議する活動が全土に広がったことにあるとみられます。ロシアでは21日、ナワリヌイ氏の釈放を求めるデモが各地で呼びかけられていまして、すでに極東のウラジオストクでデモが行われました。そしてこれから3時間後にはモスクワでも行われる予定となっておりまして、すでに中心部は治安部隊がバリケードを設けているほか、地下鉄の出口も封鎖して厳戒態勢となっています。

保里:そして、この先のロシアの重要な政治日程です。まず、この秋には下院選があり、2024年にはプーチン大統領の任期が満了となります。ただ、去年憲法が改正されまして、プーチン氏は2036年まで大統領の座にとどまることも可能になったわけなのですが、松尾さん、一方でなぜプーチン大統領は抗議活動をここまで厳しく抑え込もうとしているのでしょうか。

松尾寛(モスクワ支局長):表向きは憲法を改正して権力の基盤を強化しているようにみえますけど、内心は決して穏やかではないようです。若者たちの間でプーチン離れが進む中で、ナワリヌイ氏ら反体制派は、SNSを駆使して抗議の声を上げ続けるよう呼びかけています。また、新型コロナウイルスの感染がなお収まらず、経済の低迷も続く中で人々の不満が爆発し、再び大規模なデモに発展してもおかしくないからです。ことしの秋の下院議会選挙や、3年後にみずからの任期が切れるのを前に、プーチン大統領としては今、最も社会の混乱を避けたいところで、何としても不穏な芽は摘んでおきたいとみられます。ロシア政府の高官は私たちの取材に対して、今は想定外の出来事が起きてはならないときだと、かたい表情で話していました。

井上:続いてロシアの軍事はじめ、外交政策に詳しい小泉悠さんにも加わってもらいます。よろしくお願いします。小泉さん、抗議の声が上がっているナワリヌイ氏をめぐって、国際社会から容体の懸念を示しているわけですが、このことはこれからどう作用して、どんな影響が考えられますか。

小泉悠さん (東京大学先端科学技術研究センター 特任助教)

小泉さん:帰国してきたナワリヌイさんが拘束されて大規模なデモが起こったということ、モスクワからの報告にもあったように、非常にクレムリンとしては神経をとがらせているみたいです。他方で起こったデモが、プーチン政権をひっくり返すような規模にもならなかったことも確かです。なので、ナワリヌイ氏の今後の容体であるとか、本当に釈放されるのかということも含めて注目点ではあるのですが、現状の見通し得る範囲においては現在のプーチン体制をひっくり返す要素ではない。ただVTRにもあったように、若者の意識は結構変わってきているので、この先5年・10年、プーチンさんが2036年までやろうというときに不安要素ではあると思います。そういう意味でも、ナワリヌイ運動をどういうふうに抑え込むのかが非常に切迫性を持った課題なのだろうと思います。

井上:まさにそのつながりですが、プーチン氏の支持も根強いと。これはどういうことなのでしょうか。

小泉さん:プーチンさんは強権的な政治姿勢であるとか、いろんな不満はあるのですが安定はしています。経済も悪くなる、政治的にも抑圧される不安はあるけれど、とりあえずきょうと同じようなあしたが来るという確信だけは得られるわけです。それに対してナワリヌイ陣営からは、プーチンを倒したあとにどうするのかビジョンが示されてこないと。すると、やはり何がやってくるか分からない革新派よりは、とりあえず分かっている停滞のほうがマシだというのが、現状ロシアの中で勝っているのではないかなと思います。

井上:ここからは、ロシアの独自戦略をさらに深くみていきます。国内で求心力を高めようとしてきた、プーチン大統領。対外的にも強硬な姿勢をとり、欧米諸国との間で溝を深めてきました。一方で、関係を深めてきたのが中国です。

プーチン大統領の"独自戦略" 中国接近の狙いは?

欧米諸国とのあつれきが絶えない、プーチン大統領。一方で、中国の習近平国家主席とは毎年のように会談を重ねています。

ロシアと中国はここ数年、次々と巨大プロジェクトを進めてきました。おととし、東シベリアのガス田から中国東北部まで開通させた、およそ3000キロのパイプライン。ロシアは、中国がヨーロッパに代わる天然ガスの輸出先になることを期待しています。

ロシア プーチン大統領
「パイプラインは戦略的な互恵関係を、新たなレベルへと押し上げた」

中国との国境の町では、両国を結ぶ新しい橋が建設されました。

特産品の大豆を加工する地元企業。世界最大の大豆消費国・中国との間で、貿易が飛躍的に拡大するとみています。

中国に大豆を輸出する企業
「中国は重要なパートナーです。橋の開通で、安定して輸出できるようになります」

さらに世界を驚かせたのが、軍事面での連携です。2018年に中国との国境付近で行われた、ソビエト崩壊以降最大規模の軍事演習。これまで、対中国を想定しているとみられてきた軍事演習に中国軍を招待したのです。

ロシア プーチン大統領
「中国人民解放軍の皆様に、感謝申し上げる。今後もわが軍を増強し、最新の兵器を配備し、国際的な軍事協力を発展させていく」

最新鋭の地対空ミサイルシステムも中国に売却。ロシア軍と中国軍は、日本海と東シナ海の上空での合同パトロールも実施しました。

接近のねらいは何なのか。ロシアの対中政策を分析する、アレクサンドル・ガブエフ氏はこうみています。

カーネギーモスクワセンター上席研究員 アレクサンドル・ガブエフ氏
「ロシアにとって中国は、ヨーロッパからの制裁を切り抜けるために不可欠な存在です。経済力をはじめ、様々な力を持ちながら協力してくれる可能性のある、唯一の国なのです。一方、中国にとってロシアは自分たちがまだ持っていない近代的な兵器の重要な供給源です。10年後には自力で生産できるでしょうが、アメリカに対抗するには今すぐ必要なのです」

ところがロシアは、必ずしも中国一辺倒でない外交政策をとっています。今月、そのロシアの姿勢が垣間見える出来事がありました。ラブロフ外相が、中国と領土問題などで対立するインドを訪問し、軍事技術分野で協力することで合意したのです。

ロシア ラブロフ外相
「ロシアとインドが、軍事技術でさらに強力していくことが重要だ」

中国に売り渡した、地対空ミサイルシステムをインドにも売却しました。ロシアは、そのほかの国にも兵器の輸出を拡大しています。その中には、インドと同じように中国との領土問題を抱えるベトナムなども含まれています。

ロシアのねらいは何なのか。今後も大国としての地位を保つための、したたかな戦略があるとガブエフ氏はみています。

アレクサンドル・ガブエフ氏
「真の狙いは、中国以外の選択肢も残すことにあります。ロシアはアメリカの覇権が既に終わり、多極化した世界が来たと考えています。ロシアはソビエト時代のように、国際社会で再び上位に立つことはできないと理解しています。それでも、国際問題を協議する場に参加する大国でありたいと考えているのです」

プーチン大統領の"独自戦略" 多極化の狙いは

井上:小泉さん、今見てきたようなロシアの多極化戦略といいつつも中国とも接近しているということで、この独自の戦略、どういう思惑があるんでしょうか。

小泉さん:多極化しているけれども、その「極」の中にロシアがとどまれるかどうか分からないという危機感があると思います。経済力が停滞している、科学技術力もなかなか伸びない、西側との関係は今、非常に悪いということなので、このまま行くとロシアは多極世界の中の「極」ではなくなってしまうかもしれないと。先ほど国際的な議論の場にいられる国になりたいとガブエフさんは言っていましたが、つまりそれは国際的な発言権があるということなのです。だけど国際的な発言権をもう持てなくなるかもしれないというときに、どこと組むかというと現状中国しか残ってないということなのです。経済力にしても技術力に関しても、実は今、経済制裁の一環としてかなり制限を受けています。

井上:欧米との関係もかなり冷え込んでいますよね。

小泉さん:そうなんです。しかもそこにロシアの政治体制そのものが非常に権威主義的だといって非難を受けているわけですが、中国の場合は権威主義体制なので、お互い非難しあわなくてもよいと。いろんな意味で中国と接近しておくということが今はロシアにとっては非常に好都合だということなのですが、他方で中国一辺倒になってしまうというのは明らかに中国の影響下に置かれてしまうわけですからそれも避けたい。なので中国と敵対する国々、例えばインドのような有力な国との関係はこれからも築いていくし、そういう意味ではあちこちにヘッジを作っていきたいということだと思います。

井上:それを通して、何を目指していると言えるのでしょうか。

小泉さん:最終的に「極」としての地位、つまりロシアが発言権を持った大国であり続けたいということなのだと思います。それをやるために今は中国という存在が非常に大事なのですが、大事なことは中国そのものがロシアにとって好ましいとか、中国大好きだというわけではなくて、さまざまな「極」とロシアが見なす大国との中でなるべく等距離をとるということなのです。ただ、それができるのかどうか。現状インドがそこまでロシアにべったり頼りになってくれるわけでもないし、アメリカやヨーロッパとの関係は恐らく当面悪いですから、このままで行くと中国とは等距離だよと言いつつも、果たして本当に中国との距離を保ち続けられるのか。われわれとしては非常に気になります。

保里:小泉さん、そうした事を踏まえて、日本はロシアとどのように向き合っていけばいいのでしょうか。

小泉さん:日本もまた1つの「極」なのだということを、ロシアに認識させるということだと思います。例えば領土交渉の中で、プーチン政権から「日本は安全保障上の主権をアメリカに握られているだろう」みたいなことを平然と言ってくるわけです。これはつまり、日本は「極」ではないと見ているわけです。ただ日本は技術力であるとか経済力であるとか、ロシアが持っていなくてなおかつ非常に必要としているものを持っているわけです。こういうものを日本は「極」として活用して、ロシアに対して一定の発言権を持つという姿勢を強く日本で認識するということだと思います。同時にロシアが「極」でいたいのであれば、日本の存在感というのは非常にロシアにとっても重要ですよねということをきちんと伝えていく、アピールしていく。それが日本としての1つの方法になってくるのかなと思います。

保里:「極」として認識させるためには経済力・技術力、これが大切になってくると。

小泉さん:そうですね。軍事的プレーヤーとしてロシアに日本の存在感を認識させるということはあまり生産的ではないですし、日本にとってもロシアにとっても、あまり望ましくないと思います。ですから、今われわれが持っているものを活用して、ロシアと向き合っていくということかなと思います。

井上:ありがとうございました。