24日の世界の株式市場は、中国経済の先行きに対する懸念が強まって、売りが売りを呼び株価は軒並み下落、全面安となった。特にニューヨーク株式市場は、ダウ平均株価が一時1000ドル以上急落した。25日は株式を買い戻す動きが出、株価も値上がりしているが、日経平均株価は不安定な動きを続けている。世界が固唾をのんで見守る中国経済はどうなっているのか。取材を進めると不動産投資が伸び悩んだり、新車販売が振るわなかったり、景気の減速傾向が強まっていることに加え、地方では企業の破たんが相次ぐなど、厳しい実態が浮き彫りとなってきた。中国政府は8月、人民元の切り下げに踏み切ったり、中央銀行の「中国人民銀行」が政策金利の引き下げなど追加緩和を発表したりして、景気の下支えを一段と強めているが、中国経済の減速傾向は世界経済へも大きな影響を及ぼしている。アメリカでは利上げが遅れるのではとの観測が出始め、中国に織糸を輸出してきたインドの企業は、注文のキャンセルが相次ぐなど輸出が大きく減少。オーストラリアの鉄鉱石などの資源会社は、中国の爆買いが無くなり業績が低迷している。日本企業にとっても株安と急速な円高は大きな懸念材料だ。金融市場を揺るがす震源地・中国経済の実態と世界経済の行方について考える。
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