高速鉄道の追突事故を巡って、中国の市民の間でかつてない激しい政府批判が巻き起こった。怒りの声を上げたのは、改革開放の恩恵を受けてきた中間所得層。中国版ツイッター「ウェイボー」では、政府を批判する実名による書き込みが猛烈な勢いで増加し、“ネット世論”を形成。その力は、温家宝首相に、徹底した原因究明と情報公開を約束させるなど政府を動かした。その後、政府の強硬な報道規制によって、新聞・テレビの独自報道は抑えられたが、ネット上では、削除されたはずの政府批判記事がアップされるなど抵抗が続いている。高まる中国のネット世論の現場を取材するとともに、ネット世論を支える書き手たちの思いに迫る。
みんなのコメント