日本のモノづくりが、中国や韓国などの勢いに押されつつある中、日本特有のココロ“おもてなし”を武器に、海外でビジネス展開しようという動きが広がりつつある。石川県の純和風旅館・加賀屋は、今年11月、台湾企業と共同で現地に旅館を開業する。接客係の徹底したもてなしで客に感動を与えてきた経験を生かし、その極めて日本的なもてなしで新たな市場を開拓しようというのだ。またヤマト運輸は今年1月、宅配便サービスで上海に進出。“運送業ではなくサービス業”という理念のもと、同業他社とは一線を画した丁寧で細やかな心配りで評判を高めている。さらに資生堂は、得意の“おもてなし”接客術で、積極的に中国内陸部へも営業網を拡大中だ。生活習慣や意識が異なる海外で、日本流の“おもてなし”はどこまで通用するのか。現地のスタッフに“おもてなしの心”をどう伝えるのか。広がり始めた“おもてなしの輸出”。その可能性と課題を見つめる。
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