1000人以上の死傷者を出した中国・新疆ウイグル自治区での暴動。サミットに出席するためイタリアを訪れていた胡錦涛主席が急遽帰国するなど、暴動は建国60周年を前に引き締めを強化していた中国政府に大きな衝撃を与えた。暴動はなぜ起きたのか。背景にあるのは、国策によって移住を進めてきた漢族に対するウイグル族の反発だ。自治区の発展が漢族主導で進む中、経済格差と差別の実態にウイグル族の不満は膨らみ続けた。一方、今回の暴動では、中国メディアが漢族側の受けた被害を一斉に報道。当局も海外メディア向けにプレスセンターをいち早く設置するなど、鎮圧行動の正当性を国際社会にアピールしようと積極的なメディア戦略を展開した。分離独立をめぐって対立の歴史を繰り返してきたウイグル族と漢族。中国の”アキレス腱”とも呼ばれる少数民族問題の深層に迫る。
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