新しいシロアリの被害が広がっている。分かっているだけで現在21都府県。アメリカを原産とする外来種「アメリカ カンザイシロアリ」だ。これまでの「ヤマトシロアリ」や「イエシロアリ」が乾燥に弱く、湿った地面付近に巣を少数だけ作るのに対し、このシロアリは「カンザイ=乾材」という名前通り、乾いた木材を好み、巣を天井や柱、家具など家のいたるところに無数に作る。そのため発見も駆除もしづらく、気がついた時には被害が深刻になっているケースもある。輸入木材や家具などに紛れて上陸し、住民の引っ越しによって生息範囲を広げるため、予防もできていないのが現状だ。アメリカでは家全体をテントで覆い燻蒸することが普通だが、日本では対応策が手つかずのまま。新たな外来種の、知られざる被害の実態と対策を伝える。
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