今年春、中国各地で相次いだ反日デモ。中国の若者の反日感情が大きくクローズアップされる中、中国で活躍する一人の日本人俳優を巡って若者たちの間で論争が起きている。北京在住の矢野浩二さん(31)。去年12月に中国全土で放映された人気ドラマ『記憶の証明』に出演し、日中戦争時の中国人捕虜収容所の総監を演じた。矢野さん演じる日本将校は捕虜と対話し信頼関係を築くなど、これまでの抗日ドラマにない等身大の人間として描かれている。「日本人は皆、軍国主義者だ」「戦争の悲劇を伝える矢野は中国の友人だ」このドラマの放映直後から、中国人の若者たちの間で賛否の議論が沸騰。彼らの複雑な対日感を揺り動かすきっかけとなっている。反日感情の一方で、日本の音楽や文化が溢れる中で育った中国の若者たち。矢野さんが触媒となり、インターネットなどで繰り広げられた議論を通して、日本への憧れと反発が相半ばする、中国若者たちの本音を見つめる。
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