12月7日のロシア下院選挙。プーチン与党・統一ロシアの圧勝が予想されるが、その背景には脱税容疑で逮捕された巨大財閥ホドルコフスキー氏と野党の密接な関係に焦点をあてて、攻撃した選挙戦略があった。
ロシア最大の石油メジャーで、世界的な大富豪の一人に名を連ねたホドルコフスキー氏はロシア経済発展の申し子として世界中の注目を浴びてきた人物である。彼は、自らNGO団体を立ち上げ、政治にも影響力を及ぼそうとしていたが、その矢先、脱税と横領容疑などで突然、最高検察庁に逮捕された。野党はこぞってホドルコフスキー氏から献金を受けていたことが明らかになり、その関係が選挙では大きなマイナスとなった。
プーチン政権が、選挙前にこうした動きを見せた背景にはホドルコフスキー氏が政治介入の傾向を強める動きを牽制する狙いがあったと見られている。
ホドルコフスキー氏らが理想とする「欧米型の民主主義」路線が、プーチンの進める「国家による管理強化」と相容れないからだ。
今回の選挙を通して改めて浮き彫りになったプーチンと巨大財閥の対立の構図とその背景を描き出す。
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