九州大学大学院の非常勤講師が論文盗用 大学は処分検討

九州大学大学院の非常勤講師が発表した論文に、ほかの研究者の論文から盗用した部分があったことがわかったとして、大学は非常勤講師の処分を検討しています。
九州大学によりますと、論文の盗用が明らかになったのは、九州大学大学院地球社会統合科学府の非常勤講師です。
非常勤講師は学会誌で発表していた海外における言語文化に関する論文の中の4か所で、ほかの研究者の論文のどの部分を引用したのか適切に示さずに記載したということです。
去年8月、大学に申し立てがあったことを受けて大学が調査を進めた結果、不正が明らかになったということです。
大学の聞き取りに対し、非常勤講師は「盗用だと指摘されればそのように思える」などと話していて、大学は、論文を掲載していた学会誌側に通知するとともに、今後、非常勤講師の処分について検討するということです。
九州大学では、非常勤講師の職務に論文の発表などの研究活動が含まれていないことから、非常勤講師はこれまで研究倫理教育の対象ではありませんでしたが、今後はほかの教職員と同じようにオンライン形式の受講を義務づけるなどして再発防止を図るとしています。
九州大学は「このような事案が発生したことは誠に遺憾です。研究倫理の徹底を図り、再発防止に向けて取り組みます」とコメントしています。