出資法違反疑いで16人逮捕 「匿名・流動型犯罪グループ」か

法律の上限を超える高い金利で顧客に金を貸し付けたとして、福岡県警と北海道警の合同捜査本部があわせて16人を出資法違反の疑いで逮捕しました。
警察は、離合集散を繰り返す「匿名・流動型犯罪グループ」が福岡を拠点に組織的にヤミ金融を運営し、全国の少なくとも5800人から8億円以上を返済金などとして受け取っていたとみて、詳しく調べています。
逮捕されたのは、福岡市博多区の無職大木兼介容疑者(32)など、福岡県と佐賀県に住む20代から50代の男女あわせて16人です。
警察によりますと、去年9月からことし4月にかけて、北海道の40代の男性など2人の顧客に金を貸し付け、あわせて12回にわたって法律で定められた上限のおよそ4倍から11倍の高い利息を受け取ったとして、出資法違反の疑いが持たれています。
SNS上にQRコードを載せて客を勧誘し、非対面でやりとりを重ねながら貸し付けを繰り返していたとみられ、福岡県警と北海道警の合同捜査本部が3日福岡市内の拠点4か所を一斉に摘発しました。
容疑者のうち12人は、電話かけやSNSのやりとりなどを行う「かけ子」で、4人は、振り込まれた金を引き出す「出し子」とみられるほか、これまでの捜査で、このグループは離合集散を繰り返しながら犯罪を行う「匿名・流動型犯罪グループ」とみられるということです。
警察は、口座の記録などからグループが福岡を拠点に組織的にヤミ金融を運営し、全国の少なくとも5800人から8億3000万円を返済金などとして受け取っていたとみて、実態を詳しく調べるとともに、暴力団との関わりなど組織的な背景がないかについても調べることにしています。
警察は、捜査に支障があるとして16人の認否を明らかにしていません。